クリスヴァンアッシュ(KRISVANASSCHE)の2015-16年秋冬コレクションが発表された。“都会の戦士”というイメージが心に浮かんだと言うデザイナー。今シーズンは、スポーティでロック。そこにミリタリーのテイストをミックスしたコレクションが展開された。
序盤から登場するグレーのスリムフィットスーツは、スポーティなハイネックインナーを合わせたり、足元にギャザーを加えたりとサイクリングウェアのように緻密な流線型を描き、アクティブな仕様になっている。また、スーツに合わせるシャツやコートに、光沢感のあるナイロンを取り入れてハイブリッドに仕上げているのも特徴だ。
また、コレクションで印象的に用いられているのがカモフラ柄。大胆な模様やニットの縫い合わせで、普通の柄とは異なる表情をつくっている。これ以外にもミリタリーテイストは繰り返し登場する。例えば、フォックスファーが付いたテクニカルナイロン素材のパーカーやミリタリージャケット、メルトンウールの上質なコートなど。最新のテクニカルジップやベルクロなどのディテールがそれらのアイテムを支える重要なキーとなっている。
さらに、アウターを一層印象的に感じさせているのが、光を反射するようなグリーンや、鮮やかなレッドなどの独特なカラーリングだろう。70〜80年代のイギリスを席巻したパンクロックのジャンル“ニューウェーブ”の色遣いから影響を受けており、テクニカルな素材感やディテールと相まって、反骨精神が伝わってくる仕上がりに。また、これらの攻撃的なアイテムに、ストライプのパンツを合わせることで大人の上品さも兼ね備え、単にミリタリーやパンク一色に染まらないスタイリングを創り上げる。
都会で戦う現代の“戦士”たちに贈る、忘れかけていたかつてのロックな自分。大人になってなお、時折見せたくなるパンクで尖った一面を表したかのようなコレクションは、古くも新しいスタイルを私たちに提案した。