ポール・スミス(Paul Smith)2015-16年秋冬ウィメンズコレクションが、イギリス・ロンドンで発表された。
エフォートレスでありながら自信に満ち、さりげなく女性らしいスタイルを提案した本コレクション。やや落ちついた色調のカラーパレットは、カーキやチャコールグレーがミッドナイトブラックと並ぶ一方、ウールジャケットに落とし込まれたダスティーピンクや、オーバーサイズのムートンコートに採用されたマスタードイエローなど、節々に明るい色彩も登場する。
先に発表されたメンズコレクションのアウターウェアに多く用いられた幾何学チェック柄は、ウィメンズコレクションにも登場。落ち着いたブルーやイエロー、ブラウンが溶け合ったノーカラーロングコートや、ディープブルーのグラデーションで表現したオーバーオールなど、様々なアイテムに落とし込まれている。
オーバーオールやパンタロンなどのボトムスは、床上すれすれの超ロング丈、クロップド丈共に、一貫してワイドシルエットが特徴。ブラックのセットアップは、肩の締まり方やローライズでのスラックスの履き方が男性的な装い。そこに、ジャケットで使用されている柔らかなウールの素材感や緩めの襟元、シャツのボタンの輝きで女性らしさを演出し、絶妙なバランスを表現した。
デザイナーである、ポール・スミス自身のワークウェアに着想を得たデザインは、オーバーサイズのジャケットのシルエットにも反映。インナーには、極端なハイネックが目を惹く、厚手のニットが採用された。アウターウェアの襟を思わせるような首元と、ショート丈のコートから見える裾が、ジャケットの袖のふくらみやパンツとの素材感の違いをうまくまとめている。
コントラストカラーで表現したエナメル素材や、スネークスキンでアクセントをつけた、ヒールにボリュームのあるブーツなどが足下を彩り、今シーズンのスタイルを完成させる。フォーマルな装いが多く見られるなか、レザースニーカーも多く登場。洋服と同じ色彩に染め上げられたスニーカーは、機能性も同時に表現するブランドらしさを反映したものだ。