メゾン キツネ(MAISON KITSUNÉ)が、2015-16年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。メンズコレクション同様に、韓国に敬意を捧げた今シーズンは、ホワイト、ブルー、レッドを基調に、リズミカルに進んでいく。テーマは「Kitsuné Institute of Music」。ブランドのクリエーションにはいつだって、音楽は欠かせないのだ。
コレクション全体にレトロなムードが漂っているのは、1970年代のスピリットが宿っているから。チェッカーフラッグのニットや薄いデニム地のセットアップも、シャツとセーターに、プリーツスカートをあわせたスタイリングも、グッドガールな雰囲気だが、どこか懐かしい感じがする。
一方で、ストリートにも目を向け続けている。デニムジャケットと台形スカート、チェック柄ジャケットとミニスカートといった組み合わせに、ハイソックスやキャップといったフレッシュな小物をミックス。上質な素材やミニマムなサイジングをセレクトすることで、エネルギッシュなコーディネートも、上品なフレンチスタイルに昇華させている。
ぐっと心が惹かれるのは、半端丈のアイテムを使用したレイヤリングスタイル。ニットの袖やロールアップしたパンツから、シャツやロングTシャツ、ソックスなどをちらりと覗かせ、装いに生き生きとした表情を与えていく。また、韓国国旗の付いたキャップが印象的なキツネマークや、国旗を解体したような幾何学模様はキャッチーで、アップテンポなリズムを加えている。
また今季は、背伸びした少女のように、あどけなさの残るエレガンスもキー。ミドル丈のアウターはウエストマークを施し、光沢感のあるコートは同素材のブーティと合わせ、都会的にブラッシュアップさせた。今季もニュートラルなメゾンのアイデンティティはそのままに、コリアンカルチャーから弾けるような力強さを受け、より現代のストリートに添ったワードローブを揃えていた。