シーバイクロエ(SeeByChloé)が、2015年冬コレクションを発表した。秋コレクションから、ブランドロゴをピンクに改め、またフランス語でフレンチキスを意味する“ビズー”をアイコンに据えた。今季は、フランス・パリの街角でハントした少女たちをモデルとして採用し、ストリート感のあるワードローブが披露。
そんな少女たちだけでなく、クリエイティブ・ディレクターのクレア・ワイト・ケラーが愛するウェス・アンダーソン監督の映画『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』に登場する一人の少女・マーゴにもフォーカスを当てる。マーゴの自由奔放で親しみやすいコーディネートに、ほんのりと70'sを香らせて、コレクションは進んでいく。
今季は、首元を包み込んだようなレイヤードスタイルが中心。ざっくりとしたニットポンチョとタートルネックを組み合わせたり、華やかなオーキッドピンクのボートネックトップスにシャツを合わせたり、レトロなミニ丈ワンピースにタートルネックを重ねたり。キュッと首元を引き締めることで、上品で知的なムードを振りまいていく。
ブランドらしい、デニムアイテムも数多く展開。濃淡の違う生地をパッチワークした、フード付きポンチョやトラウザー、パキッとしたインディゴが映えるシャツワンピースなどが揃った。また毛足の長いモヘアも多用され、ライラックとオレンジの鮮やかなチェック柄がコートやストール、ラップスカートなどに華を添えていく。
少女が描き出すようなチャーミングなアイデアは、ワードローブのそこかしこに散らばっている。大きくブランドロゴを配したロングTシャツやフラワープリントのワンピースには、ホワイトチーターが隠れている。また、前身頃にデニム地を添えたスウェットトップスにも、アニマルモチーフの刺繍が施された。
パッチポケットの付いたシャツやダブルブレストのアウターから、垣間見えるマニッシュなムード。反して、格子状のレースブラウスや小花柄から湧き出る女性らしさ。様々な観点から長所を引き出し、それらをミックスさせることで、街中にいる女の子たちの等身大“リアルクローズ”が展開された。