フェノメノン(PHENOMENON)の2011-2012年秋冬シーズンコレクション。タイトルは「PINK CLOWN」。
音楽をインスピレーション源としているデザイナーのTAKESHI OSUMI氏がダブステップや、90年代のダークなヒップホップ、ダンスミュージックから着想を受け、サーカスの「道化師」を象徴としてハッピーと物悲しさなど相反する性質を持ち合わせた世界観が表現されている。
「ピエロは明るく振る舞ってるけども、どこか物悲しいイメージで、両方が一緒になったキャラクター。それがカラーの着想になりました。」と話すOSUMI氏。キーカラーはハッピーの象徴であるピンクとダークな面を表すブラック。素材においても、ゴージャスなファーとスウェットといった対極なものがスタイリングによって巧みに組み合わされている。
カラスとヒョウが融合したモチーフと、バロックヘアモチーフがコーディネートのアクセントとして数々登場。その中でも例えばバロックヘアモチーフが施された迷彩柄のシャツは、カジュアルな素材に繊細な刺繍があいまって、どこかエレガントな印象を与えており、1つのアイテムにも二面性が落とし込まれている。また、ファージャケットやダウン素材の巻きスカート、手編みのニットなど女性も手に取りたくなるようなアイテムも目立った。
裏腹な要素を巧妙にミックスさせたコレクションは、個々の性格や生活に潜む様々なギャップを楽しむデザイナーの姿勢が表れており、まさに「東京らしい」といえるだろう。