マックスマーラ(Max Mara)の2016年春夏コレクションが、イタリア・ミラノで発表された。今季のテーマは海物語を意味する「A Sea Tale」。
海をイマジネーションさせる、マリンパンツやボーダートップス、加えてカモメやヨットのモチーフといったストレートな表現はふんだんに使用。しかし、そういった直接的なものではなく、マックスマーラらしいドラマティックな海の描き方がある。
ときに穏やかにときに荒々しくいくつかの音楽を使い分け、スクリーンに映し出した映像作品もそれと共に変化させていく。穏やかなときだけでない、嵐や大雨の日などを含めた、船旅での紆余曲折を知的に提示。そのときそのときのムード(音楽や会場の雰囲気)に合わせて展開されるワードローブも、エネルギッシュになったり、少し悲しさを秘めていたり……と変わっていくのだ。
ペンシルスカートなど女性的なものもあるが、基本的に、ワードローブはスポーツの要素が強い。ドローストリングを用いたフード付きジャンパーやショートジャケット、巾着型のバックパック、プリントTシャツ。そこに前述した、マリンウェアを重ねている。星柄やロープ模様といった、存在感のあるモチーフや模様をあしらって、今季のマックスマーラらしさを構築。
どこか不自然さを感じさせるのは、だらりとのびた袖。それにスタイリングのせいだろう。というのも、展開されるジャケットやコートはどれもボタン違いになっていて、胸元で独特のうねりを持っている。これは波を表現しているようにも見えるし、一筋縄ではいかない船旅を比喩的に表現しているようにも映った。