イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)の2016年春夏コレクションが、2015年10月2日(金)にパリで発表された。「ジャングルの植物の旺盛な生命力」からインスピレーションを得た今シーズンは、ファブリックを“調理”するという、ブランドならではの新製法で生み出された生地が提案された。
今シーズン新たに考案されたのは、料理するように焼いたり、蒸したりして作った新鮮な生地。例えば「3D Steam Stretch」は、蒸気で生地を縮めるという手法で、伸縮性のある特殊素材となっている。またジャケットやシャツには、植物を原料とした極細の紙糸を織り込み、軽やかで涼しげな見た目に。
また、ブランドを代表する素材であるプリーツも驚きの方法で調理。名付けて「Baked Stretch」と呼ばれるプリーツは、特殊なのりをプリントした生地をパンのように焼き上げ、膨れ上がったのりでプリーツを形状記憶させている。そのため、プリーツスカートやドレス、トップスは、優雅なボリュームを保ったまま、弾力のある揺れを魅せる。さらにカラフルな曲線プリントや、鮮やかな色むらを加えて、歩くたび表情が変わる仕組みも披露。トロピカルで躍動感のある雰囲気が伝わってくる。
そして、チェック柄アイテムにはフリンジという調味料を。トップスや、スカートの裾、さらには大ぶりのハットとバッグにまで使用している。中には立体的な見た目を構築するために、フリンジを段違いに重ねる方法も。長く垂れ下がった糸の束は、まるで植物のようなディテールとなり、上品なチェック柄にジャングルテイストの香り付けを施していた。