ジュリアンデイヴィッド(Julien David)の2016年春夏コレクションは、フランス・パリのサン=ジェルマン=デ=プレ教会からほど近い美術学校で発表された。ファッションウィーク中のパリは、肌寒い日が続いていたが、午後一番の陽射しはつよく暖かい。美術学校には吹き抜けがあり、囲うようにして伸びた細い廊下がランウェイとなった。
心地よい日の光が差し込む中、現れたファーストルックは、デニムドレスにコットンパンツを合わせたルック。ナチュラルで優しく、重厚感のある昨シーズンと随分とギャップがある。今季はコットンがキー素材。時折、エナメルであったり、ビニルのようなファブリックで刺激を加えながら、ほのぼのとした空気感のなか進行していく。
ボタンの並んだシャツドレスにパンツを合わせたルックが、どことなく美術学生を想起させ、手書きのようなフラワーモチーフに安堵感を覚える。描かれているのは、夏の花ひまわりであったり、日本の国花である桜。中には、ジャカードで表現された繊細な花々も。
ショートビスチェ、スリット入りロングスカート、プリーツスカート、サルエルパンツ、ジップ付きシャツを組み合わせて、オリジナルの着こなしを楽しんでいるが、シルエットにポイントを置いている。ボトムスや丈の長いトップスは、ウエストラインやや下のあたりにふくらみを持たせて、独特のフォルムを形成。足元はフリンジ付きフラットサンダルなどの個性派シューズで揃えた。