アツシ ナカシマ(ATSUSHI NAKASHIMA)が、2016年春夏コレクションを東京・渋谷ヒカリエで2015年10月12日(月)に発表。『DHLエクスポーテッド(DHL Exported)』受賞後、初のコレクションとなる今シーズンは、スタンリー・キューブリックの映画『2001年宇宙の旅』にインスピレーションを受けている。
劇中に登場した宇宙船を想起させるランウェイで、モノトーンを基調に、赤やカーキ、シルバー、ゴールドを差し込んで、フューチャリスティックなワードローブを展開。袖やバックスタイルに施された直線的なカラーの切り替えは、未来的なスタイルを助長する。
メインで用いた素材は、ネオプレンやカットジャカード、マットな質感のニット。そこに、ダーツをうまく切り込んで、フォルムに緩急を付けていく。ジャケットやワンピースのカクカクとした形状は、時に緩やかな放物線も取り入れながら、有機的なシルエットを構築。どこか宇宙服のムードを感じさせる。
さらに、首を覆い隠すハイネック、指先だけのグローブ、ひざ下のサポーターとレッグウォーマー。肌の見せ方を変えるアンバランスな組み合わせからも、現実からかけ離れたSFチックな印象をくみ取ることができた。
ブランドの得意とする近未来的な世界観が、さらに顕著になって表れた今季。ショー後、中島は「『DHLエクスポーテッド』はまさかの受賞。ずっと世界に出たいと思っていたので、チャンスとして受け止めたい。実はすでに作成中ではあったが、ミラノが決まってもう少しクリエイティブなものにしたいと考えている。ミラノではやりすぎない程度に、変化をみせていきたい」と今後の意欲を見せた。