ザ ロウ(THE ROW)がフランス・パリで発表した2016年春コレクション。今季のテーマは「ロマンティック・ピューリズム」だ。舞台は19世紀フランス。貴族のライフスタイルを彷彿させる、上質でタイムレスなデザインを追求した。
シャツやチュニックなどのアイテムはキモノスリーブを採用し、袖が太めなのが特徴。パンツもワイドなシルエットで展開し、それらを組み合わせることでボリュームのあるモード・コンシャスなスタイリングが目立つ。
そんな中、ブランドらしい上質な素材感でフェミニンさを加えた。シャトーで暮らす女性の夜明けから夕暮れまでの1日を表現し、シルクやサテン、シーアイランドコットンなどを使用。ただ一言でシルクといっても、洗いをかけた虹色光沢のシルクタフタ、カシミアシルクなど様々な種類を取り入れた。サテンは重厚感のあるダブルサテンを採用。ランジェリーのような繊細なものから厚手のものまで、まるで当時の女性の心模様を表現しているよう。
カラーパレットは、美しい夕暮れ時をイメージ。サンイエロー、カーネーションピンク、ホワイトといったカラーが幻想的に変化していきながら、コレクション全体を美しく彩どる。
また今季は足元にも注目したい。クラシカルスリッパとヒールクローズスリッパ、2種類のオリジナルフットウェアが発表された。いずれも、ブランドのモノグラムから着想を得たラウンドヒールのデザインで「ロマンティック・ピューリズム」の世界を表現。柔らかいスエードと、プリーツ状のシルクなどラグジュアリーな素材を使用し、ガーメンツのクラシカルさを底上げしてくれるアイテムだ。