エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)は、ミラノ・ファッション・ウィーク2日目の2016年2月25日(木)に、2016-17年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。
今シーズンのエミリオ・プッチをコンパクトに表現するのは、とても難しい。というのも、至極個性的な要素がぶつかりあっているから。ショー会場には「I want to sleep.I want to say.…」と、願望が飛び交うユニークなサウンドがリピートされていて、その音楽はコレクションを体現しているようにも感じさせた。
まず、目に飛び込んでくるのは鮮やかなグラフィック。抽象的なカモフラージュもあれば、四方八方に伸びたチェック、さらにはアーカイブのスカーフを想起させるような幾何学模様もある。また、色彩が持つエネルギーによって、自然豊かな山々の姿も描き出されている。
そういったパンチの効いた色柄は、やはり表情豊かなウェアにのせられている。共通していたのは、スポーツテイスト。競技用スーツのようなオールインワンを筆頭に、ジャージのようなプルオーバー、タイトフィットのパンツといった具合に。トップスには、ジップを多用して、快活なムードへとつなげている。
そこに、一部分がデフォルメされたアイテムをマッチ。袖が異様に膨らんだロゴ入りトップス、ショルダーラインが大きすぎて肩からずり落ちているジャケット、ラペルもベルトも異常に太く大きいロングコート…など。さらに、プリーツスカートとパンツをレイヤードした斬新なスタイリングも投下され、そこらかしこ場所を選ばず個性の種が現れ、ひしめき合っている。