ミラノ・ファッション・ウィークが、2016年2月24日(水)より開幕した。初日に最新コレクションを発表した、ブルーガール(blugirl)の2016-17年秋冬シーズンは、とびきりロマンティックだ。
首元を包み込むスタンドカラーのブラウスやふわりと広がったフレアスカートをベースに、胸元には細いリボンを飾り、袖口はバルーンラインに仕立て、古き良き時代のエレガンスを投影している。クルーネックのカーディガン、大きなボタンを配したケープ、花模様を透かしたレースブラウス…、これらの作品もまたクラシカルな香気を与えている。
しかし、ブランドが今季伝えているのは、古風な美しさではない。随所に思わず目を留めてしまうような仕掛けが散りばめられている。ひとつは足元。モデルの華奢な足を包み込むホワイトの柄タイツ。そこにマッチさせたのは、ボリュームたっぷりのファーパンプスだ。柔らかなペールトーンをセレクトし、黒や赤を中心とした洋服たちと対峙させて、コーディネートに楽しみをもたらしている。
また、キーファブリックとなったシースルー素材は、レースとオーガンザといった“透け感を重ねる”手法や、ニットやツイードといった温かな素材を組み合わせた“厚みを対比させる”方法など、さまざまな選択をとって、ファブリックの可能性を提示。刺激的なパイソン模様を包み隠して、柔らかさの中から強さを浮かび上がらせているルックもある。
上品なテイストとチャーミングな仕掛けが入り混じるなか、ショーは進みラストへ。フィナーレでは、ファーをあしらったカラフルカーディガンにショートパンツで合わせて数人のモデルが登場。デザイナーのロッセラ・モリナーリを囲み、とても穏やかな雰囲気の中、コレクションは幕を閉じた。