セルジオ ロッシ(sergio rossi)の2011-12年秋冬コレクション。ニームのコロッセウムを2010年夏に訪れたクリエイティブ・ディレクターのロッソは、その建築美に衝撃を受けた。そのイマジネーションは螺旋を巻くアンモナイトや鮮やかなアンソニウム、そしてドラマティックな仮面舞踏会、夜の蝶まで広がった。
ミッドナイトブルーのベルベッドのパンプスは、スワロフスキーのバタフライが足首を包み込み、蝶の命のはかなさがそのセクシャリティを一層ドラマティックに演出する。ポストモダンを象徴する白と黒のポルカドットのブーツ。クチュールライクな大きなラッフルが、ドラマティックに足首を包み込む。それはまるで、おどけた表情の仮面で深い悲しみを隠したピエロのように。タイガー柄のパンプスの甲には鮮やかなブルーのファーがあしらわれ、グリーンのパンプスには鮮やかなレッドのアンスリウムが咲き誇る。魅惑のカラーがクラッシュし、80年代のダンスホールのエナジェティックなムードが蘇る。セルジオロッシを象徴するパーフェクトなシルエットのスティレットヒールは甘い誘惑。細いリボンで足首をフェティッシュに締め上げて、魅惑のコレクションが完成する。
今シーズンはニックナイト率いるSHOWstudioのファッションディレクターであるアレクサンダー・フュリー(Alexander Fury)とコラボレーションし、アートとファッションのフージョンから生まれるグラマラスでコンテンポラリーな世界を見事に表現してみせた。