ヴィクター&ロルフ(VIKTOR & ROLF)がパリファッションウィークで発表した2012年春夏コレクション。 真っ赤な顔の力強い女戦士が登場した昨シーズンのムードから一変、今季は、ブランドのシグニチャーである「DOLL(人形)」をテーマに、ファンシーでガーリーなコレクションとなった。 ステージに2つの巨大なスカートが設置され、その上から顔を出したのはフランスで大人気のデュオ「ブリジット」。彼女達ヒットメドレーを歌い始めると、スカートが開いてモデル達が表れた。
グラマラスな大人の洋服のミニチュア版である人形達の衣装。それを再び人間の大人のサイズに戻してみると、クラシックなレースの柄はモダンに生まれ変わり、ステッチはヴィヴィッドな太いリボンによって誇張され、ボタンやアイレット(ひも穴)もそのキッチュな雰囲気を残したまま、シックに拡大された。ロングヘアを後ろになでつけたヘアスタイルも、子どもの頃の人形遊びを思い起こさせる。
サテン、シルク、チュール等フェミニンな素材を、美しいシルエットのドレスに仕立て上げるのはヴィクター&ロルフの真骨頂。きゅっと締めたウエストラインが、スカートのAラインやフリルの袖のボリュームを強調して、女性らしくてエレガントなシルエットを描き出した。カラーパレットはクリーム、ブルー、ミントグリーン、ローズといったスウィートなスプリングカラー。フリルに包まれたミュールやスワロフスキーエレメントが輝くサンダル、オーバーサイズのバニティークラッチバッグが、アイロニーを効かせたドーリーな世界を、さらにファンタジックに盛り上げていた。