ディスカバード(DISCOVERED)の2017-18年秋冬コレクションが、2017年3月22日(水)に渋谷・ヒカリエで発表された。
スコットランドのバンド、プライマル・スクリーム(Primal Scream)のアルバム「エクスターミネーター(XTRMNTR)」をインスピレーション源に掲げた今シーズン。“殺し屋”とも訳せるこのアルバムにはアンチミリタリーなニュアンスが込められている。
その意向は今季のランウェイに託され、特に素材使いで忠実に表していたようだ。ペンシルストライプのスーツ地をパーカーやブルゾンに変えてみたり、あるいはフードだけロゴを配してキッチュに演出しながらもテーラードを仕上げたり。さらには、クラシカルなチェック柄やファーネックウォーマーなど、ディスカバードの答えは気高さとして現れた。
また、同アルバムがアシッドジャズの影響を覗わせることから、イギリス文化なども根底に置いたという。おそらくテキスタイルの上質さはブリティッシュな要素もくみ取ってのことだろう。
加えて、パンクなニュアンスもところどころで感じられる。シャツやパーカーに並んだキラリと光るスタッズのディテール、細身のボンテージパンツ、そして袖がジッパーで開閉式になったサファリジャケット型のダウン。それぞれ個性が強いものではあるが、上質な素材を用いているから前衛的すぎることはない。
ひとつのアルバムから完成したランウェイは、彼らにとって特別なものとなった。同日に第12回「DHLデザイナーアワード」に選出されることが決定したのだ。同アワードは2011年に創設され、今後の活躍が期待される新進気鋭のデザイナーが選出されるもの。リアルクローズをクラシカルからカジュアルまで、まさしく今シーズンのように多様性にあふれた表現でこれまで魅せてきた彼らの今後に、さらなる期待が高まる。