戦後、ジーンズは労働着だけではなく、徐々に現在のような一つのファッションアイテムとして認識されるようになっていく。マーロン・ブランドやジェームズ・ディーンといった映画スターの影響などにもあるし、また、ジーンズを生産するメーカー側がカジュアルウェア市場に本格的に参入していったことも大きかった。
この時代のジーンズはシルエットが細くなり、カジュアルウェアとして、一般の人たちに着用されるようになった。現代の人たちにとっては、”古き良きアメリカ文化の象徴”だが、当時の人たちにとっては、”アメリカ経済の高度成長の象徴”だった。
既にリーバイスは、西海岸の人たちだけのジーンズメーカーではなく、東海岸でも販売されるようになり、Leeはジェームズ・ディーンの影響で人気となり、ラングラーはカウボーイ御用達のブランドとなっていた。
この時代のリーバイス、リー、ラングラーのジーンズがどのように変化していったのかを時系列でご紹介。
1950年、ラングラー、ジッパータイプのデニムジャケット「11MJZ」を発売。「11MJ」同様、アクションプリーツがついていたり、機能性が良いデニムジャケット。
1952年、ラングラー、デニムシャツ「27MW」を発売。
同年、リー、耐久性に優れたツイル生地「チェットパツイル」を開発。
1953年、リーバイス、「507XXジャケット」(セカンドモデル)を発売。
1954年、リーバイス、革パッチから紙パッチに変更。これは、紙パッチが革パッチのように縮んだりしなく、耐久性があったため。
同年、ラングラー、ジーンズに、カウボーイを主人公にしたコミック「ギミーブック」を付属させる。
同年、リー、カジュアルスラックス「リージャース」を発売。「リージャース」という名前は、ブランド名の「リー」と「レジャー」を組み合わせた造語。
1959年、リー、白いコットンサテン地の「リー・ウエスターナー」発売。ホワイトジーンズの誕生。
1961年、リーバイス、「ホワイトリーバイス」を発売。
1962年、リーバイス、「557XX(トラッカージャケット)」(サードモデル)を発売。シルエットがタイトになり、デニム生地にはプリシュランクデニムを使用。
第6章は、カウンターカルチャーとジーンズについて