ミルクボーイ(MILKBOY)の2017年秋コレクションは、“らしさ”を作りあげるために、ストリート、ミリタリー、パンクなど多くの要素を組み合わせている。
ストリートカルチャーのミックススタイルには、ポップなプリントをセレクト。ウサギだからと言って可愛いわけでなく、ブラックのパーカーにはエキセントリックな色合いを用いているし、Tシャツはすべてモノトーンで配色している。こうしてできた1枚は、まさにミルクボーイならではで、アイキャッチなワードローブだ。これらと同じく、大きなロゴも今シーズンには欠かせないもので、特にブランド名の“MILKBOY”の文字は、トップスだけでなくタイトなスキニーにまで大きく配された。
そこに大胆に掛け合わせられるミリタリーのエッセンスとして、MA-1やワークコートを提案している。もっと言えば、男性の歴史的正装がこのなかに濃縮されていて、MA-1やボトムスに、刺繍の線を巡らせ、ナポレオンジャケットでよく目にするパスマンタリーのような装飾をあしらっている。こうした古典的なフォーマルを追及するだけでなく、現代のスクールスタイルのようなチルデンニットとシャツ、ネクタイという組み合わせも登場している。
これら多彩な顔触れのコレクションの先陣を切るのは、いつもと変わらずジェンダーレスな雰囲気。そして忘れてはならない音楽の要素だろう。スキニーパンツにワイドシャツを合わせたパンキッシュなスタイルはミルクボーイの十八番。今季はその主軸にあらゆるものを取り込んで、同じシルエットで多様な表現を楽しんでいる。