ブラックアイパッチ(BlackEyePatch)の2018年春夏コレクションが2017年10月18日(水)に東京・観世能楽堂跡地にて発表された。
2014年にアパレルの展開を開始して以来、着実に人気と知名度を上げ続けている、ブラックアイパッチ。素性やデザイナーが一切不明の謎多きこのブランドは、ジャスティン・ビーバーやウィズ・カリファなど名だたる海外アーティストが着用したことでも話題を呼んだ。
今回のショーのステージに選ばれたのは観世能楽堂跡地。東京発、新進気鋭のブランドは日本の「和」の文化を象徴する場所で、大胆奇抜なショーを見せた。
ショーの始まりを告げるのはバイクの轟音。バイクに跨ったモデルがアクロバティックに登場する。着ているのはナイロンのフーディーブルゾンとジャージパンツ。この2つのアイテムの定番ともいえる組合わせには、90年代を彷彿とさせるカラーにブランド名をあしらうことで独自性を演出した。
ベルトやソックスなど様々なアイテムにデザインされた「取扱注意」は、今季のブランドのキーワード。その中でも胸に大胆に「取扱注意」のロゴが配されたパーカーのインパクトは強い。ベーシックなホワイトをはじめ、オレンジなど、ストリートファッションにおいて欠かせないカラーで展開されるこのアイテムは「ドープ」な雰囲気満載だ。
そのパーカーにレインコートを合わせたルックも登場。コレクション内のパンツとセットアップになっているこのアイテムは、ブランドロゴの総柄デザインを施し、ストリートな雰囲気を落とし込んだ。意外性のあるアイテムのラインナップは、ブランドのパイオニア感を煽り、見ている人たちのブランドへの期待を膨らませた瞬間であった。
しかし、全体を通して見られたのはあくまでスタンダードなスタイル。奇を衒わず、既存の文化の中でいかに独自のスタイルを見せるか。ブランドは何か模索しているようにも見えたが、今回のコレクションの結果は、ショーの後の拍手と共に歓声が上がった会場の雰囲気から察することができた。日本のみならず、世界にも名を馳せつつあるブランドの今後の動きに注目が集まる。