ニューヨークファッションウィークにて、カレンウォーカー(KAREN WALKER)の2012-13年秋冬コレクションが発表された。今回はJules Verne(ジュール・ヴェルヌ)の小説「海底二万里」にインスパイアされ、「Captain meets Brian Jones(ネモ船長とブライアン・ジョーンズの融合)」という一風変わったテーマを取り上げた。この二人は、「海底二万里」の主要登場人物であるネモ船長と、ローリングストーンズの元ギタリスト兼リーダーであったブライアン・ジョーンズのことだ。コレクションの中では海軍調の中にビクトリア朝の華やかな装飾、そして少量の60年代のモッズテイストがミックスされたユニークな形で反映されている。
ベースとなるカラーはネイビーブルー。その中で目を引く鮮やかなレッドやイエロー、大柄のテキスタイルが全体を華やかな印象に。さらにメタリックなファブリックがリッチな素材感と光沢感を加えている。
最初に登場するマスキュリンなアウターは、オーバーサイズのテーラードスタイル。そこに組み合わせられた鮮やかなイエローのセーターとスクエア型のアイウェアが、いかにも60年代らしい。
まるで海底に潜む怪物の触手のように伸びたオーバーサイズ・プリントのペーズリー柄に、ボーイッシュなシルエットのパンツスタイル。さらにトップスと同じ柄の入ったチェルシーブーツを合わせ、モッズテイストに仕上げられた。落ち着いたトーンのコートには、ハイネックの首元やコートの袖口からのぞくラッフルが華やかさを与えている。ウエスト部分にも惜しげもなく装飾を加えたこのスタイルは、ビクトリア朝へのオマージュだ。
SF小説、モッズ、ビクトリア朝という印象的なアイディアのミックスを、1つのコレクションとして見事にまとめあげたカレンウォーカー。ベーシックなデザインながらも遊び心満載の彼女の服は、いつも着る人の心を明るくしてくれる。