2012年2月28日、パリファッションウィーク初日にアガノヴィッチ(AGANOVICH)が2012-13年秋冬コレクションを発表した。自身や友人のイラストレーター、クリフォード・ハーパーの書棚から導き出された今季のコレクションには、インスピレーション源のひとつに詩人エドモン・ジャベス(Edmond Jabes)の言葉が引用されている。
クリフォードからもらった「Force」という写真集から導き出されたカラーパレットは、氷河や広大な海をイメージした、ホワイト、ブラック、そしてブルー。ハイネックの、マントのような白いコートや、片側がマントになっているロングジャケットシャツ、黒でショルダーラインを強調した白のドレス、トレーンをひくバックスタイルなど、ドラマティックで彫刻的なフォルムはアガノヴィッチならでは。ゴールドのジッパーや、パーツとパーツの間からきらりと見える七色のラインが構築的なシルエットをを強調している。
様々なテクスチャーの素材を使用した白の素材が、バリエーション豊かな表情を見せる。ブルーの細いラインがマリンな雰囲気を醸し出し、ローゲージニットののロングワンピースや、マリンパンツをフューチャリスティックにアレンジしたパンツも爽やかで印象的。ポエティックで深遠なブランドの世界観をさらに追及されたコレクションだ。