ミュウミュウ(MIU MIU)がフランス・パリで発表した2018年春夏コレクション。
今シーズン、ミウッチャ・プラダはブランドの原点に立ち戻るかのように、90年代のミュウミュウアーカイブへ想いを馳せた。かつてアメリカ・ニューヨークの地でコレクション発表を行っていた頃のこと。ブランドの歴史の起点となった90年代の思い出と、クリエーションを行う上で長年保持し続けてきたミックス&マッチの視点。今回は洋服からバッグ、シューズ、ジュエリーといった小物類まで、これら2つの柱を手掛かりにデザインする。
象徴的なのは、トムボーイのエッセンス。少年的でカッコイイけどキュート。そんな相反するスタイルは、ミュウミュウのアイデンティティとよく結びつく。50年代風のブレザーにはシックなシャツを、60~70年代風に仕上げた、ラムレザーのジャケットにはメンズのボウタイのディテールをプラスした。
度々登場する刺激的なカラーのニットは、ミュウミュウが生まれた90年代を象徴するグランジファッションから影響を受けたもの。こういったアクティブピースもトムボーイ風にアレンジして“かっこカワイイ”スタイルを構築する一コマとなる。
差し込むのはレースのドレスや花模様のシースルードレス、ビーズ刺繍を乗せたキャミソールドレスなど。透明感がありセンシュアル、そんなフェミニンなピースがハンサムルックとレイヤードされる。
コーディネートの基準は楽しく、ポップに。ドレスの上にドレスを重ねたり、レザージャケットの下はシースルースカートだけで抜け感を作ったり、ニットベストの下にスイムウェア風の極短パンツを合わせたり。予想外のアイデアから生まれるのは、奇想天外でユニークなルックばかりだ。
アイコン・マテラッセのバッグは、籐と組み合わせてアップデート。籠バッグのような朗らかな表情のレザーバッグが、蛍光色のソックスやフラットサンダルといったスポーティーなアクセサリーと交わる。ジュエリーはヴィンテージピースを組み合わせたような、ハンドメイド風のデザインが特徴。大振りのカチューシャと合わせれば、タイムスリップしたかのようなレトロシックな雰囲気が装い全体を包み込む。