ソマルタ(SOMARTA)の2012-13年秋冬コレクションが3月19日に発表された。内側にかけて層となり中央は空洞となっている結晶「Geodo(ジオード)」をテーマとし、素材の重なりが作りだす層の美しさを表現した。同時に、レオナルド・ダヴィンチの描く慈愛に満ちた女性からインスピレーションを受けた、何かを包み守るような母親像もモチーフに取り入れている。
シフォンやオーガンジー、シルクなどの柔らかな素材が作り出す身体のラインに沿ったデザインで女性らしさを強調。カラーパレットにはベージュ、茶、シャンパンゴールド、ピンクなどの優しい色から、黒やワインレッドといった力強い色まで使用してメリハリをつけた。
スカートの裾には細やかなシャーリングが施され、まさにジオード内部の重なりあった結晶のようだ。また今回も、「第二の皮膚」をコンセプトとしたボディウェアシリーズ、"Skin Series(スキンシリーズ)"が登場。その表面には繊細な刺繍がきらめいている。蝶の羽根のような模様のシルクオーガンジーのドレスにも、全体に手刺繍が施された。その内側に浸透する光の層は、手仕事ならではの技術が生み出したものだ。
ショーの前半にはベージュや白を基調としたルック、中盤には赤や黒を多用したルック、そして終盤にかけてまたベージュ基調のルックに戻り、真紅のドレスでフィナーレというドラマティックな展開が印象的。母親の力強い包容力を、ジオードという神秘的な結晶と重ね合わせ見事に体現したコレクションは、ソマルタの得意とする素材感を活かしたデザインや機械技術と手仕事の融合によってこそ成しえたものだ。