エド・シーランは、英国を代表する人気ミュージシャン。2017年にリリースされたシングル曲「シェイプ・オブ・ユー(Shape of You)」の大ヒットによって、彼の音楽の虜になった人も多いはず。アコースティックギターを抱えた赤毛の青年は、その抜群な歌唱力と心に響くメロディで世界中を魅了し続けている。この記事では、そんなエド・シーランにクローズアップ。生い立ちから、ヒット曲が生まれた背景、甘く切ないラブソング特集など、エド・シーランの魅力をたっぷりとお届けする。
エド・シーランの本名は、エドワード・クリストファー・シーラン(Edward Christopher Sheeran)。1991年に生まれ、イギリス東部に位置する自然豊かなサフォーク州フラムリンガムで育った。
エド・シーランの家族は、芸術一家としても知られており、アートキュレーターの父は、アートスクールなどで講義を行う文化人、母はジュエリーデザイナー、2個上の兄マシューは、現在作曲家として活躍している。
4歳の時から、近所の教会の聖歌隊に加入し、歌に触れ始めたエド・シーラン。ギターやピアノ等の楽器も早くから習得しただけでなく、父親は、あらゆるジャンルのミュージックライブに連れて行き、音楽に溢れた環境で成長していった。両親の仕事の関係で、ロンドンには頻繁に訪れており、その道中は、ボブ・ディランやエリック・クラプトンが流れていたという。
11歳から作曲を始めたエド・シーランは、16歳の時に音楽の道を決めてロンドンへ移住。スタジオや路上でライブを重ねたが、都会の高額な家賃を払えなかった当時、路上生活をすることに。知人の家や地下鉄、時には野外で夜を過ごさなければならない過酷な生活を送っていた。
そんな状況の中でも、地道にファンを増やしていったエド・シーランは、2009年には年間300以上ものライブ活動を行う。2011年に遂にメジャーレーベルと契約し、デビューシングル「Aチーム~飛べない天使たち~」をリリース。発売と共に、一躍旋風を巻き起こし、全英3位の記録を叩き出した。
その後、デビューシングル発売と同年に、ファースト・アルバム『+(プラス)』をリリースしたエド・シーラン。英国のみならず、北米や日本でも大ヒットを記録した。2014年に発売されたセカンド・アルバム『x(マルティプライ)』では、"世界で最も多くのセールスを記録した男性ソロ・アーティスト"の称号を獲得し、グラミー賞主要部門も受賞している。
2017年の最新アルバム『÷(ディバイド)』は、あらゆる音楽サイトで、"最も再生されたアルバム"としてロングセールスを記録し、トップの座を独走した。
アコースティックギターから紡がれるエド・シーランの音楽は、叙情的なメロディばかりではない。セカンドシングルとなる「ユー・ニードゥ・ミー・アイ・ドント・ニードゥ・ユー(You Need Me I Don't Need You)」では高速ラップを披露し、R&Bやソウルミュージックの要素を含んだフォーキーなポップスも数々披露。
また、数々の著名アーティストともコラボレーションの実現を果たしている。その中にはテイラー・スウィフトや、エミネム、ジャスティン・ビーバーといった豪華な顔ぶれも。
そんな彼の多くの歌詞は、自身の個人的な経験を題材を元にしていると云われており、しばしば家族や友人、元恋人についても赤裸々なストーリーが綴られている。
美しいメロディとは対照的に、薬物中毒の女性を歌ったショッキングな内容のデビュー曲「Aチーム~飛べない天使たち~(The A Team)」も、そのうちのひとつ。エド・シーランが路上生活をしていた際に、ホームレスシェルターで出会った女性を元に作成したものだという。
また、子供を亡くしてしまった友人の悲しみを歌にした「スモール・バンプ(Small Bump)」や、エド・シーランの祖父母の死を元に歌詞が書かれた「アファイア・ラヴ(Afire Love)」「スーパーマーケット・フラワーズ(Supermarket Flowers)」など、彼の身近で起きた不幸な出来事から、愛や記憶の大切さを歌う曲も残されている。