ミュラー オブ ヨシオクボ(muller of yoshiokubo)の 2018-19年秋冬コレクションが発表された。
今季のテーマは"being Ironichic"。アイロニックとシックを合わせたこの造語のもと、矛盾の中に生まれる新しいエレガントを追求する旅路がはじまる。
「普通とは何か」という問いの答えを探すべくインスピレーションの源としたのは、大森林で暮らす何もかもが型破りな7人家族の、初めての旅を紡ぎ上げたロードムービー『はじまりへの旅』。個性的な一家の1人1人を表現した7つのテキスタイルが、ミュラー オブ ヨシオクボの生み出す独自のシルエットの上でポテンシャルを発揮する。
たとえば長男"ボドヴァン"の名がつけられたのは、家族が暮らす山小屋の中にあるラグをイメージしたペイズリー柄の生地。秀才で運動神経も抜群、何でもこなしてしまう彼のように、この印象的なパターンはアウターやベスト、パンツ、スカートまで様々なアイテムに取り入れられ、コレクション全体に優雅なムードとリズムをもたらす。
森での生活に疑問を抱き父親に反抗する次男"レリアン"を投影したのは、フューチャーリスティックなフィルムオーガンザ素材。程よい透け感ときらめきを備えたプリーツは、シックなカラーリングのドレスに溶け込みながらも、どこか未来を見つめるような挑発的な表情を覗かせ、新しいエレガンスの世界を教えてくれる。
一度も森を出たことが無い末っ子の"ナイ"は、ナチュラルなストライプのテキスタイルへと姿を変えた。テーラードジャケットとワイドパンツの気品高いスーツルックも、この素朴で暖かみのあるファブリックによって、エフォートレスな魅力がプラスされている。
旅の途中にホテルで心と体を休める、特別な時間をイメージしたのはmuller"HOTEL"コレクション。ビジューや刺繍の繊細なディテールが施されたドレスやワンピースには、ゆったりとしたムードの中にもリュクスを感じさせる、洗練された女性像が映し出されている。