ユニクロ(UNIQLO)とJW アンダーソン(JW Anderson)のコラボレーション「UNIQLO and JW ANDERSON」の第2弾が、2018年4月20日(金)より発売される。その店頭展開スタートに際し、デザイナーのジョナサン・ウィリアム・アンダーソンが来日した。
2017年秋冬シーズンに続けて2度目となるコレクション。ジョナサン・ウィリアム・アンダーソンは、前回のワードローブとどのように組み合わせられるかを考えながら、ユニクロとともに制作にあたったそうだ。
第2弾では「ブライトン・ビーチ」がインスピレーションですね。
2回目の依頼を受け、とてもワクワクしました。そして、テーマとして「ブライトン・ビーチ」が頭に浮かびました。海辺のノスタルジックな雰囲気を表現したいと思ったのです。
ご自身でブライトン・ビーチに足を運ばれたことはあるのですか。
もちろんあります。僕自身とても大好きな場所です。
大学に入った初年度にイギリスのブライトンでパーティーをしたときのことが印象的で。イギリスを象徴する場所でありながら、そこには、中国のシノワズリーに影響を受けたものや、日本のカルチャーからも影響を受けたものがありました。当時はコミュニケーションが難しかったはずの世界の文化を、想像を交えながら表現したものたちが存在するのです。それが僕にとってとても興味深かかったです。
2018年春夏コレクションでは、イギリスの伝統的な要素も見ることができますね。
ブライトン・ビーチがイギリスの歴史を伝える場所であることもあり、そうしました。
コレクションの中では、50~60年代のデニムやワークマンジャケットに象徴されるような仕事着の要素を見て取れると思います。海辺を想わせる自然の色だったり、柔らかく軽やかなコットンリネンなどの素材であったりを採用して抜け感を出しました。着古したようなリラックスした雰囲気が、今回のコレクションの魅力です。
気に入っているディテールを教えてください。また、お気に入りのアイテムはありますか。
シャツ、特にロングシャツです。様々な着こなしができる上、後ろが長いフォルム、そしてポケットのデザインがとても素晴らしいんです。また、チノ素材のディテールも多用していて、洗いこまれた素材感が美しい生地です。それから、海辺を想わせるカモメもお気に入りのひとつですよ。
今回のコレクションでは、ジョナサンお気に入りのコットンリネンに加えて、カイハラのデニム生地、シワになりにくいDRY EXなど、ユニクロならではの素材を用いている。ジョナサンは、「このコラボレーションは、あくまで“ユニクロが提案する日常のコアとなるライフウェアに、アニメーションをプラスするようなこと”」と捉えているそうだ。また、コラボレーションをすることで、ユニクロと自身のクリエーションとの新しい対話を実現してるとも。
次に聞いたのは、ジョナサンが、日ごろの服作りにおいて大切にしていること。ユニクロとのコラボレーションコレクション制作にあたって、さらには自身のブランドだけでなくロエベ(LOEWE)を手掛けるにあたって、デザイナーとしての想いを打ち明けてくれた。
服を作る上で意識していることはありますか。
ユニクロとのコラボレーションでももちろんそうですが、最近2年ぐらいは、“普段らしさ”を表現したいと考えています。その上で重要なのが、洋服を作ることよりスタイリングじゃないのかと。デニムだったり、オックスフォードシャツといった伝統的なものをどう表現するかが大事だと思うのです。
伝統的なファッションの魅力とはどういうところだと思いますか。
シンプルに見えて複雑なところ。日常の何気ない場所で着ているTシャツやオックスフォードシャツは長い年月をかけて改良され、進化してきたものですよね。歴史を考えると、実はとても趣深いなものなのです。
ジーンズを例にあげると、僕の中で印象的なのが、デザイナーのイヴ・サンローランが言っていた「ジーンズを私自身が世の中にだすことができなかったことが残念だ。」という言葉。あれほどまでに世界のファッション界の歴史に影響を与えた人でも、そう言わしめるジーンズはすごいものだと感じます。
日常、気軽に身に着けているものに、そのような特別だという考えを持てるのはとても素敵なことです。
きっと好奇心をもつことが大切で、“知りたい”という気持ちがなければいけないなと。気づかなければノーマルなことでも、好奇心によって気づきがあればアブノーマルになるのです。
そして、その気付きによって、服を着る際の個性が生まれるのではないでしょうか。
ノーマルなものから個性を生み出すということですか。
そうです。そもそも、服はエクスクルーシブなものではなくて、インクルーシブなものでないといけない。そのためには、ノーマリティ(普通であること)が必要です。ノーマリティというのは、例をひとつ挙げるなら、朝起きて何も考えずにやる動作のこと。つまりは、個々が持っている潜在的な意識の中にあるものだと思っています。
ひとつの服が、着る人によって存在意義を変えるんですね。
僕にとっては、Tシャツ、デニム、チノがユニフォーム的な存在なのですが、他の人から見ると違うかもしれないですよね。どんなワードローブも、着る人によってベーシックという概念を持ちうる可能性がある。自分なりの異なるエレメントを加えることで、自らの良さをだしていくのが服だと思うのです。
例えば、オードリー・ヘプバーンが映画『ローマの休日』で白シャツをきていたシーンってとても有名ですよね。オードリーは、どこにでもあるようなクラシックな男性のシャツを着ているのですが、彼女が着るととてもセクシーで、男性が着たときとは違う魅力があります。
僕たちは服をつくる立場だけど、最終的に服を完成させられるのは服を着る人。服に息吹を与えるのは、身に着ける人でないといけないと僕は思っています。それはシンプルでも、古典的なものでもいい。華美にする必要はありません。むしろ、クラシックでシンプルだからこそ、個性が際立つと思っています。
「UNIQLO and JW ANDERSON」2018年春夏コレクション
発売時期:2018年4月20日(金)
場所:<フルラインナップ>ユニクロ銀座店、ビックロ ユニクロ 新宿東口店、ユニクロ吉祥寺店、ユニクロ MARK IS みなとみらい店、ユニクロ札幌エスタ店、ユニクロ仙台泉店、ユニクロ名古屋店、ユニクロ 大阪、ユニクロ心斎橋店、ユニクロキャナルシティ博多店など全58店舗とユニクロオンラインストア
※その他一部商品をユニクロの全店舗にて販売。※一部の地域では発売日が異なる。※店舗により取扱商品が異なる。
■アイテム
<ウィメンズ>
・アウター(ユニセックス) 2,990円~5,990円+税
・パンツ/スカート 3,990円~4,990円+税
・Tシャツ(一部ユニセックス) 1,500円~1,990円+税
・ワンピース 2,990円~4,990円+税
・ブラウス/ニット 2,990円+税
・ハット/バッグ(ユニセックス) 1,990円~3,990円+税
<メンズ>
・アウター(一部ユニセックス) 2,990円~5,990円+税
・パンツ 2,990円~3,990円+税
・シャツ 2,990円~3,990円+税
・Tシャツ/ポロシャツ/ニット(一部ユニセックス) 1,500円~2,990円+税
・ソックス 390円+税
・ハット/バッグ(ユニセックス) 1,990円~3,990円+税