イッセイ ミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)の2013年春夏コレクションは、和紙が原料の「紙衣」に着目。古くから日常着の素材として使われてきた和紙に、「自転車のある暮らし」という現代的な解釈を加え、アクティブに行動する人々のための機動性の高い服を提案した。
素材の風合いと洗練されたシルエットを際立たせるよう、ホワイトとブラックを効果的に配置し、アクセントにレッドやブルーなど鮮烈なカラーをプラス。今回の主役である「和紙」に、レーヨンを張り合わせて表面にラミネート加工を施したり、細くカットした和紙をこよりにしてキャンバス地に織り上げるなどアレンジされた素材は、「破れやすく、平面的」という紙の概念を超えた新鮮な驚きを与えてくれる。
またスタイリングは、向かい風を受けて膨らんだような立体感のあるトップスに、ハーフパンツを合わせ、軽やかに。一方で、色鮮やかなカラーで染めた柔らかな素材のアイテムたちは、空から降り注ぐ眩い光のように、ゆらめくような模様を描き出した。
中でも注目アイテムは、たたむとフラットな四角形になる、衿が立体的な造形のブルゾンやコートだ。モノトーンの中にイエローのリフレクターをつけることで、自転車に乗る際の安全性も重視しつつ、スタイリッシュなスパイスとなっている。
和紙のもつ質感を活かしたフォルムやディティールを加えることで、自転車をこぐ際に感じる空気感を巧みに表現した若々しさ溢れるコレクション。