ローブス&コンフェクションズ(robes&confections)の2019年春夏ウィメンズコレクションを紹介。
今季、インスピレーションの源になったのは、1940年代アメリカで流行した“ズートスーツ”。ルーズフィットのジャケットに、ワイドなシルエットのパンツを合わせたスタイルは、黒人ミュージシャンが着用したことから広まっていった。ボリューム感のあるフォルムで仕立てられたウェアは、ステップとともに街中を歩いていくような軽やかさで身体を包み込む。
セットアップは、極細番手のオリジナルウールトロピカル、イタリアのカルロ・バルベラ(CARLO BARBERA)社製シルクリネンウール、アイリッシュリネンツイルといった上質な素材で程良いオーバーサイズのシルエットに仕立てられている。腰を覆う長さの丈に、直線的に伸びる袖が縦長のラインを強調する。さらりとした羽織り心地は全く堅苦しさを感じさせず、自由を求め表現した1940年代のマインドを、現代に投げかけているかのようだ。
また、ダブルブレストにすることで、よりハンサムな印象を演出。女性の身体に自然になじみ、シンプルながらも優雅さを感じさせる仕立ては、日常や現代の街中に溶け込みながらも、しなやかで品のある存在感を生み出す。
丸みを帯びた造形のジャケットや、紐で留める繊細なニットビスチェなど、フェミニンなアイテムも、プリーツを施し、袴のように仕立てたワイドパンツや、細やかな光沢とシワが適度な抜け感のシャツと組み合わせることで凛とした表情に。一方、オーセンティックなトレンチコートは、肩をドロップさせ、ボタンを大きく作ることで、マニッシュながらも優しく大らかなオーラを放っている。
特殊な技法である「中白染め」で独特な色彩を表現したライトブルーのセーラーシャツやシャツドレスは、ヴィンテージ感を漂わせ表情豊かな余韻を残す。ブルーとピンクのチェックドレスや、白黒のメガチェックにイエローを差し込んだチェックのセットアップは、春夏らしくソフトで清涼感のある仕上がりだ。