2012年9月28日、イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)が2013年春夏コレクションをパリファッションウィークで発表した。テーマは「Flapping Colors - 羽ばたく色」。鮮やかな羽を持つ鳥たちのイメージし、イッセイにおける新たなプリント革命とも言えるコレクションを完成させた。
グリーン、イエロー、ブルー、オレンジなど豊かな色彩にストライプや千鳥格子のグラフィックが印象的なドレスは、極薄の生地の両面に転写プリントが施され、色が重なり合うことで予期せぬトーンが生まれている。独特の風合いを持つ生地は、四角い布に刺繍を施し、スチームで特殊な刺繍糸を縮めた後、プレス加工。さらにその後洗いをかけて刺繍糸を溶かして出来き上がったもの。
新しいプリーツの技術による視覚のトリックにも注目。正方形や長方形といった四角いフォルムの服に格子状のプリーツをかけ、フレームを内側へ入れた後、プレスをすると裾のひだが取り除かれ、柔らかいワンピースのシルエットが現れる。ボーダーのニットも四角い服にスチームを加えて流線的なフォルムへと変化させたもの。厚手と薄手の生地でジオメトリックな切り替えを持つコットンジャケットは、先シーズンに誕生したスチーム・ストレッチを新たに進化させたシリーズだ。
色彩とフォルムの持つ新たな可能性を引き出した、イッセイ ミヤケの唯一無二のクリエーション。色とりどりのドレスをまとい、リズミカルにウォーキングするモデルたちの姿が、新しい服の時代へと飛び立つ高揚感で会場を包み込んだ。