サルヴァトーレ フェラガモ(Salvatore Ferragamo)は、2020年リゾートコレクションを発表した。
インスピレーションの源泉となるのは、米国ニューメキシコ州の景観。毎年サンタフェの国際民俗芸術市場に訪れるという、クリエイティブ ディレクターのポール・アンドリューは、その道すがらにある景色からヒントを得た。明るさやスケール、空間、色彩が、コレクションの随所に落とし込まれている。
暑く乾燥した砂漠空間の中に、揺らめくようにして存在するダークブラウンや、ブルーグリーンといった明るいカラーパレットは、開放感とともにウェアを彩っていく。“サンタフェ サン”と名付けたイエローのレザーを使用したマイクロプリーツ・スカートには、レーザーエッチングを施したシンプルなロゴTシャツをスタイリング。躍動感のあるスカートのフォルムを際立たせる。
また、明るいターコイズブルーのパンツに合わせた、光沢のあるネイビーのボンバージャケットや、ウォーミングなコーラルオレンジのロングコートの裾からのぞく赤いスカートなど、からっとした温暖な空気感を思わせるスタイリングが散見された。
抽象的なフローラルプリントをダイナミックに配したシルクのシャツやパンツ、プリーツドレスは、ふわりと空気を含むような、緩やかなフォルムが魅力。透け感のある生地を重ねることで、陽炎や陰影のように淡く刹那的な表情を生み出している。
エフォートレスなジャンプスーツや、大きさの異なるパンチングを施したメッシュのフーデッドコート、膝上丈に設定したメンズのショートパンツなど、アクティブな雰囲気も印象的。爽やかな花柄のフーデッドジャケットや、スウェードやギャバジン素材で仕立てたコート、ハードなチェルシーブーツなどは、砂漠を歩き回る快活さと、クラフトの織り成す品格を兼ね備えている。
ストライプのシャツ地で仕立てたロングドレスは、スリットを大胆に配し、袖に分量感を持たせることでフォルムにメリハリを。端正なジャケットには、レザーのタッセル付きベルトをウエストに結ぶことでシルエットに動きをもたらしている。