プラダ(PRADA)の2020-21年秋冬メンズコレクションが、イタリア・ミラノで発表された。今シーズンは、トロイの木馬をモチーフにしたオブジェの周りを縦横無尽にモデルたちが闊歩。その様を観客席から傍観するというユニークな演出のもとコレクションが展開された。
キーワードは「シュールレアル・クラシック」。過去を振り返り、特に90年代のプラダにおけるクラシックをベースとしながらも、今の時代ならではの新テクノロジーによってクラシックを再構築する。
ノーダーツで仕上げたサルトリアの力が光るジャケットや、手編み風のケーブルニットなど、どこか懐かしさを感じさせるピースと、新技術で生み出したアイデアピースを共存させる。
象徴的なのは、Re-ナイロンで作られたジャケットたちだ。2021年末までに全てのナイロン製品を再生ナイロンに変えようと動き出しているプラダならではの取り組みで、漁網などをリサイクルして作り出した新素材を使用している。
シルクのような美しい光沢感とナイロンならではの軽量性を備えたジャケットには、プラダのアイコニックな三角ロゴを胸元に、フラップポケットにも同じようなシルエットのモチーフをラバーで配している。
また、新技術といえば“軽さ”に特化したレザーシューズ、ラバーソールブーツも特徴的だ。90年代のプラダが生んだフットウェアを新テクノロジーで、軽く履きやすいアイテムへと昇華させた。
旧プラダスポーツから生まれたプラダ リネア・ロッサは今年も健在。スキーパンツとハイネックトップスとあわせて、コーディネートされている。
一方で、カラーパレットは都会的でモダンな印象だ。グリーンやライトブルー、オレンジなどの豊かな色彩同士を組み合わせてスタイリングする。ジャケット・ベスト・ノースリーブシャツ・コットンタイがお決まりのスタイルで、ベストにはニット、ラミネート加工したゴートスキンなど、様々な素材を用意。
シャツは、幾何学模様を全面にプリントしたタイプやシンプルなタイプなど、バリエーション豊富な色柄を揃えた。90年代のタキシードシャツからインスピレーションを得た、ラッフル&くるみボタンをあしらったドラマティックなデザインも登場している。