アンリアレイジ(ANREALAGE)の2021年春夏コレクションが発表された。
今シーズンのテーマは「ホーム(HOME)」。インスピレーション源の1つとなったのはヤドカリ。巻貝の殻に収まるヤドカリは、体が大きくなれば、別の大きな殻を探さなければならない。その場合、巻貝の殻は“家”なのか、はたまた服なのかー。
コレクションノートには「どちらでもありそうで、どちらでもなさそうで、そんなあいまいさを服に置き換えたいと思った」という言葉が綴られている。その言葉が知す通り、今季デザイナーの森永邦彦が目指したのは「家のような服。服のような家。(CLOTHES LIKE A HOME.A HOME LIKE CLOTHES.)」だ。
デジタル形式で発表されたショーは、富士山の麓、朝霧自然公園で開催。田園的な風景の中に、“家”を模したカラフルな多面体のテントを、集落に見立てて設置した。これらの大きなテントは、骨格を外し、ドローコードでギャザーを寄せて括ることにより、民族的なパッチワークのボリューミーなシャツドレスやコートへと姿を変える。
骨格を組めば“家”に、外せば“洋服”になるこのアイテム。“家”だった時に感じられた硬質さは、骨格を外し、ドローコードでギャザーを寄せた“洋服”からは全く感じられず、流麗で柔らかなシルエットを描く。モデルが歩くたびに、たっぷりと生地を使ったスカートの裾や袖、襟がふわふわと揺れ動く。
ヘッドピースは、建築家・隈研吾が、“人が身につけられる小さな建築”としてデザイン。身に纏うだけでなく、ランプシェードとしてインテリアにもなるアイテムだ。クリア素材を用いたフューチャリスティックなスニーカーは、日本のスニーカーブランド「スピングル」とコラボレーションしたもの。
また、ドライフラワーを施した透明の樹脂ハンドルをあしらったハンドバッグやイヤリングなど10種類が、新ブランド「アンエバー(ANEVER)」のアイテムとして初披露された。
なお、今季のコレクションは、パリファッションウィーク中にデジタルショー形式で発表。オープニングには、元欅坂46の平手友梨奈を起用。平手は今季のキーアイテムにもなっている純白のドレスを纏った。また、ショーミュージックは引き続き、サカナクションの山口一郎らが手掛けている。