サンローラン(Saint Laurent)が、2021年春夏ウィメンズコレクションを発表した。
2021年春夏シーズンでフォーカスするのは、「物事の本質とは何か」。今日のように混沌とした60年代からインスピレーションを受け、雑多な物に溢れる時代の中で、よりゆったりと、ミニマルに、そして自分らしく自由に生きることへの憧れを、コレクションの中に落とし込んだ。
“本質”を探究するテーマに準えて、ベースはシンプルでコンサバティブな印象。スリムでコンパクトなシルエットをベースにしながらも、時に開放へと導くリラクシングなニュアンスを備える。
今回のコレクションでは、イヴ・サンローランが1960年代に発表した女性のためのタキシードスタイル「ル・スモーキング」が、探究のベースとなる。かつての女性よりももっと自由にファッションを自分らしく楽しむ現代女性に向けた、女性の自信と強さを示唆する“現代版”「ル・スモーキング」を提案している。それは、マニッシュであり、エレガントであり、フェミニンでもある。
シングルジャケットには、胸元を深く開いたシャツを合わせ、丈重厚感のあるチェスターコートにはシュミーズのようなインナーをあわせて、自由で遊びのあるスタイリングでかつてのタキシードスタイルを再解釈する。
また、流れるようなシルクやシアー素材、フェザーフリンジといったディテールが、心地よい“軽快さ”を与える。軽やかな表情を見せるシフォンドレスは、優しい動きとともに女性らしさを強調する。また、60年代当時のアーカイブから採用された、柔らかなジャージー素材もまた、程よく弾むようなリズムを生み出す。
サンローランのコードであるブラックをメインに、シックなカラーパレットで構成された今季のコレクションでは、大胆なフラワーパターンとともに、フランス人アーティスト故クロード・ラランヌによるジュエリーの数々が、絢爛な華を添える。大ぶりのフラワーモチーフやボタニカルモチーフのゴールドジュエリーが、優美な表情を見せる。