ユリウス(JULIUS)は、2021-22年秋冬コレクションを発表した。
テーマは、抑圧を跳ね返すような力を意味する“Resilience”。困難に飲み込まれない硬さやタフな表情を持ちつつ、身体に自然になじみパワフルな佇まいを作っていく。2020年秋冬、2021年春夏と、自然を思わせるムードのコレクションが続いたが、今季は打って変わって、力強く研ぎ澄まされたコレクションが展開される。
注目したいのは、広がりのあるシルエットだ。ドレープや分量感を駆使した独特なフォルムはユリウスの得意とするところだが、今回は布地の広がりや、素材の質感を生かした立体感のあるシルエットが散見された。例えば、オーバーシルエットのコートやショートジャケットには、あえて広めの袖口が採用されている。
また、複数のポケットを随所にあしらったバギーパンツは、しっかりとした生地感とダイナミックな造形によって、ボリューム感のあるワイドシルエットに。表情豊かなシワを刻んだボクシーなブルゾンとのセットアップで、インダストリアルな印象を演出する。
ハードなムートンジャケットやウールコートは、張り出すような肩の仕立てによってさらにエッジを効かせる。紫がかったブラウンのウールコートは、やや肩をドロップさせ、身頃を大きく仕上げることで、重心を上に持たせた。ショルダーにボリュームがありながらも、全体としては直線的な輪郭線を描く、ユニークなシルエットの1着だ。首には顔の半分を覆うようなベルト付きのスヌードを合わせることで、より一層無骨さをプラスする。
ブラックやグレー、ニュアンスのあるブラウンといったダークトーンのカラーをメインにしたコレクションに、アクセントを加えるのがアブストラクトなモチーフの刺繍やプリントだ。カットソーの袖や、パンツのフロントに静かに施された刺繍は、抽象的でありながらもプリミティブな感覚や、神秘性を呼び起こす。カットソーのフロントには、グラフィックプリントと刺繍を組み合わせて幾何学的な模様を描くことで、より一層抽象的な表情を強めている。