ロエベ(LOEWE) 2021-22年秋冬コレクションが、パリ・ファッションウィークにて発表された。
今季は、シェイプやカラーを飽和状態まで最大限に駆使した、インパクト溢れるルックで溢れている。カラーパレットは、グリーン、レッド、ブルー、イエローなど、明るく弾けるようなアクリルカラーを中心に、楽し気なグラフィックを交えて。またこれらが行き着く先は、そんな色彩に引けを取らないアイキャッチなシルエット。風船のようにボリュームなアーム、直線的で角ばったライン、片方だけ飛び出すアシンメトリーな裾といった具合に、自由なスピリットを拡張し合っているように感じられる。
今季のカラーパターンやシルエットが持つ幾何学的要素は、“カットアウト”といった、ロエベらしい高いクラフトマンシップの上でも発揮されている。胸元を大胆に取り払ったイエローのニットは、レザー製のボディーピースを重ねることで、抽象画を見ているかのような独創的な表情に。ブラック×ホワイトのバイカラーをきかせた、ボリューミーなドレスは、両肩の下に細やかなカットを入れることで、アームとボディを分断させたような複雑さをもたらしている。
コレクションを彩るディテールや装飾といった要素も、今季のムードにあわせて主役級の存在感を放っているようだ。スエード素材のジャケットやボトムスの裾からぶら下るのは、手のひらほどある巨大なタッセル。また真っ白なドレスには、前身頃を埋め尽くすほどの、ラフィアのようなピンクの装飾を加えることで、とびきりロマンティックなムードへと引き寄せている。
毎シーズン注目を集めるレザーアクセサリーも充実。1975年以来、ロエベの定番的なアイテムとして愛されてきた「アマソナ」バッグは、アナグラム ジャカードおよびナッパカーフスキンで登場。また「パズル」バッグや「フラメンコ」クラッチといった人気シリーズにも、新作が仲間入りする。そのほかバックル&ブレスレットが付いたハイヒールブーティ、カラーブロッのラグソールブーツなど、新作フットウェアも展開される。
なお近年デジタル化が進む中で、今季のロエベは世界各地の様々な新聞の別冊に、最新コレクションをアナウンスするというユニークな取り組み「Show in the News(ニュースの中のショー)」を新たに実施。日本では朝日新聞の折り込みという方式で発表された。