ディーベック(D-VEC)の2022年春夏コレクションが、2021年9月1日(水)渋谷ヒカリエで発表された。2020年春夏コレクション以来のランウェイショー形式での披露となる。
ディーベックは、1958年創業の釣り用品の「ダイワ(DAIWA)」から生まれたファッションブランドだ。防水&撥水、超軽量、動きやすさの3本柱を軸に、フィッシングブランドならではの機能性を重視したモノづくりを行っている。
アイテムには、ダイワの優れた縫製技術が生かされており、例えば、釣り糸を切るための特殊なハサミを使用した裁断など、一つひとつのピースからはその高い縫製技術が感じられる。
「雨の音を感じ、風を愉しむ。」ブランドの根底にあるのは、言葉として触れるだけで心地よい、自然を愛する理念だ。アウトドアシーンだけでなく、現代人が暮らす“都会”までも内包した、広範囲での“屋外”“自然”と調和する快適なデザインを提案しているという。
2022年春夏では、このディーベックのスピリットを反映しながらも、釣りやスポーツからかけ離れたハイエンドなデザインが揃った。ギャザーやドレープを巧みに使って動きをつけた女性もののアシンメトリーワンピースや、軽やかなリボンが袖口から舞う白シャツ、ガウンのように羽織れるベルト付きジャケットなど、アウトドアを起源とすることを忘れさせるほど、洗練されたウェアが並んだ。
海を思わすブルー、草花のようなグリーンやイエローといったビビッドカラーも今季の特徴だ。ファーストルックの濃淡異なるブルーを精密なパターンで組み合わせたワンピースを筆頭に、鮮やかな色彩で彩られた洋服は、自然の美しさを改めて思い起こさせてくれる。
反して、足元をしっかりと保護してくれるパンツ裾のテープや、カットソーにあしらった止水ファスナー、手荷物をたっぷりと収納できる大きなポケットなど、洋服の細かなディテールには“釣りのダイワ”が培ってきた叡智や経験が生かされている。
水を被ることもしばしばある船釣りでも活躍してくれる撥水アウターや、防寒具にもなるスポーツベストなど、アウトドアブランドとしての確かなクラフツマンシップを感じさせる機能性ウェアは、くすみカラーや、メタリックカラーのデコレーションなどを添えて、モダンにアップデートされている。
釣り専用シューズがなかった時代から、さまざまなフィッシングシーンを想定した履き物を提案してきたダイワ。このフットウェアへのアプローチは、ディーベックでも生かされており、今季はウエスタンブーツ、ニュアンスカラーのスニーカー、カラフルなヒールサンダルなど、多彩なシューズが提案されている。