ステラ ジーン(Stella Jean)が2014年春夏コレクションを発表した。テーマは、60年代の上流階級の人々のバカンススタイル。フランスのコート・ダジュールを出発し、美しく穏やかなイタリアの海岸沿いをクルージング、そんな夢のような旅路からインスピレーションを得た。
まるでトリックアートのようなヴィジュアルを構成するのは、ほとんど全てのルックに用いられている、アフリカのワックスプリント。原色を多く用いたカラーパレットが、夏のバカンスに向け、高揚する気持ちを表現する。色・柄共に全く異質なアイテムを組み合わせているのに、ほど良くコントラストの効いた、調和のとれたスタイルへと仕上げられているのはさすが。
ジャケットやレトロなカッティングのスカートには、ボーダー柄が多く用いられた。「バカンス中になにげなく書いた日記のようなコレクションにしたかった」と語るデザイナーの言葉通り、どこか懐かしい雰囲気が漂っている。
今季のコレクションのキーワードは、「エスニック」。アフリカのスローファッションを思わせる、ゆったりとしたオーバーサイズ気味のシルエットが、のどかで平和的な印象をもたらす。
アクセントには、50年代をイメージしたボリューミーなアクセサリーを取り入れて、洗練されたヌケ感をプラス。また、ハットやキューバシャツなどのメンズライクなアイテムも多く採用した。女性らしいスタイリングに、あえてマスキュリンな要素を加えることで、フェミニンさを強調。新しいエレガンスのあり方を提案した。
なお本コレクションは、国連機関である国際貿易センターのプロジェクト「エシカル・ファッション・イニシアチブ」とのコラボレーションにより制作。イタリアのクラフトマンシップとアフリカのファブリックが融合した、唯一無二のコレクションが完成した。