2013年9月27日(金)、イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE) が2014年春夏コレクションをパリファッションウィークにて発表した。"Wearing Light"と題されたコレクションは、星・月・陽という地球を照らす自然界の異なる光をテキスタイルやスタイリングで表現。ショーは明るく爽やかで、ウェアからは希望が満ち溢れていた。
ステージの中央にずらりと並べられたのは、もはや懐かしい気持ちにさえさせるブラウン管のテレビたち。モニターに手をかざし、叩けばテレビから音色が溢れ、ショーに合わせてモニターは色を変えていく。この不思議な楽器演奏は、先シーズンもステージミュージックを担当したOpen Reel Ensembleのメンバー、和田永によるもの。彼が率いる"Braun Tube Jazz Band"という音楽プロジェクトで、ブラウン管に映し出される光を音に変換しているそうだ。コレクションでは光を服に、こちらは光を音に変換していることになる。
シルエットは、直線的で紙のような張り感を持つ。生地の固さを利用して自然と生みだされたスカートの腰部分の立体感に、パンツのサイドにあしらわれた折り目など、シンプルなようで見どころは多い。着物スリーブに裾がペプラムのショートジャケットは、計算しつくされた造形美にうっとりとしてしまう。そして、トラックパンツやメッシュジャケットが軽やかでスポーティーなムードを運ぶ。
一見、ラインに見える模様は、人造皮革に最新技術を用いて施した極小のパンチング加工。放射線状に配されれば、夜空に流れる流星を連想させる。サンレッドにスカイブルーのグラデーションや虹色のエアリーなドレスは、空の表情をそのまま切り取ったかのよう。後半の色彩の上に透ける白を重ねたシリーズは、雲の隙間か漏れ出ずる束の間の光を表現しているというのだから、なんともロマンチック。背中からはマントのように棚引く布が垂れ、動きに合わせてゆったりと舞っていた。