クロエ(Chloé)2014年春夏コレクションショーが、パリ・ファッション・ウィークにて開催された。
まるで大自然に囲まれた世界を描き出したかのように、ショーの前半はアースカラーでまとめ上げられた。ふわりと風になびく、軽い素材に大きめのシルエット。あらゆる方向に進むプリーツが生み出したうねりは、ピークショルダーや切り替えといった少しエッジィなデザインを、優しげな流れの中に取り込んでいく。また、黄みを帯びたカーキ色や、肩を出したデザインは、強い日差しが照りつける情景を連想させる。
オニキスブラックが連なるラストへ向け、カラーがホワイト、ブルーと変化していった後半。多用された結びや、厚底のエスパドリーユは、燃えるような暑さの中でも涼しさをもたらす。ショルダーバッグを肩にかけずに小脇にかかえるという、枠にとらわれないユニークな発想も見られた。
伝統のクチュール技術によって生み出される、クロエの西洋的でフェミニンなスタイル。そこへ、刺繍や柄によってオリエンタルな香りを織り込んでいったのは、今季の特徴だ。さらに、アフリカの遊牧民トゥアレグ族にインスパイアされた、ブルーのグラフィックレースも登場。異国情緒漂う、リラクシングなスタイルとなった。