ユマ コシノ(YUMA KOSHINO)2014年春夏コレクションは「MiNiMAL BALTiC」をテーマに、自然溢れる世界の春から夏へと向かう物語を通し、晴れやかな空気感が表現された。
窓のような形の枠から花がのぞくグラフィックと、柔らかなペールトーンに彩られてスタートしたショー。「歴史ある民族的な柄と、幾何学的なデザインが共存するバルト3国のように、コントラストを意識して作りました」と小篠ゆまが語るように、相反する要素があらゆる場所に顔を出す。
カラーの対比は、切り換えだけでなく、レイヤーによっても生み出された。パステルカラーとメタリックカラー、くすんだ色合いとヴィヴィッドカラーといったように、それぞれの要素が、お互いの魅力を引き立て合う。
キュートな総柄プリントにはメッシュをかぶせ、スポーティーでスタイリッシュにアップデート。ニット素材からオーガンザまで、これまでにないほどに多く揃えたという素材のバリエーションは、自然にあふれるバルトの世界観をさらに深いものとしていた。
「異なる要素を組み合わせることで、盲点を突くようなクリエイション。そういったものを突き詰めていくことで、フタを開けたときに思った以上のものが出来上がったりします。そうして出来た服のエネルギーを、ぜひ感じてほしいです」と熱を込めた小篠。そこには、穏やかな笑顔の奥にある、服作りへの強い情熱が見て取れた。