先日の展示会でも発表されました2014年春夏コレクションの中で、お気に入りのものを教えてください。
こちらのPORALISの新色です。春夏のアイテムにサマーファーを使うことはなかなかないので、面白いなと思います。色がとても好きなんですよね。カラーとして好きなだけではなくて、コーディネートしやすい色だと思います。
空をイメージした、素敵な色ですね。フルラは80年以上の歴史と豊かな伝統と、革新性も持ち合わせていると思うのですが、そのバランスはどのように両立されるのでしょうか。
そうですね、そのあたりが我々のようなブランドにとっては難しい挑戦だと思います。やはり、同じような製品を作っていくと、これがブランドの定番のようなものだと分かりやすくはなりますが、それと同時に、そのシーズンごとに革新をもって、お客さまに驚きと新鮮さを与えることが大事だと思っています。それはカラーであったり今までになかったようなフォルムであったり、素材の処理の仕方などです。
鏡のような表面加工に代表されるような皮革の革新技術も使っています。皮革の加工処理は近年進んできており、デジタルプリントなどの手法によって、様々な加工ができるようになってきています。
このバッグのミラー加工は本当に素晴らしいです。
これはまだ熱いうちにメタルのシートを革に密着させるという加工ですよ。こういった新しい技術を使うとそれだけ実験やテストも繰り返さなくてはいけませんし、こういう表面加工だと表面が傷ついてもいけないし、はがれてもいけないし、曇ってもいけない。
最新技術を使っているアイテムですと、もうひとつが木のシートを張ったものですね。これは本物の木を使っていて、その上から透明の別の素材でコーティングをしています。例えばこのひとつのバッグだけで4つの異なった素材を組み合わせているんですよ。やはり、そういった皮革の中でも異素材を組み合わせるには技術も必要ですし、複数のサプライヤーに納品のタイミングを要求するなど、製造面の管理も難しくなってきます。タンナーが違うと、カラートーンを合わせるのも難しいです。