ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA) 2023年春夏コレクションは、ブランドのミューズでもあるキム・カーダシアンをキュレーターに迎えて発表。キムのアーカイブに関する深く専門的な知識を現代へ投影する力で、ブランドのDNAに根差しながらも「今」を感じられるコレクションに仕上げている。
カーダシアン家の次女であり、世界的なセレブのひとりでもあるキム・カーダシアン。その華々しい生活を送る一家にとってもドルチェ&ガッバーナは親交の深いブランドのひとつであり、とりわけキムは昔からブランドの大ファンであったことも知られている。
今回そんなキムをキュレーターに迎えたコレクションは、新しい視点でドルチェ&ガッバーナのDNAを探る旅に出る。キムが持つブランドにおける深い知識でアーカイブを探りながら、それをただモダンに再解釈するだけでなく、あらゆる現代女性にとって内なる自信を引き出せるようなコレクションへと導いていく。
今シーズンの最大の特徴は、なんといってもカラーパレット。これまでドルチェ&ガッバーナといえば、その豪華爛漫なモチーフや鮮やかなカラーで毎度観客の目を楽しませてきたが、今回はいかにも"キムらしい”ダークトーンが主流となる。シシリアン ブラックと並ぶのは、パールグレー、ストーングレー、ソフトチーク、オプティカルホワイト、シルバーなど。またボルケーノレッドがアクセントカラーに加えられたほか、唯一レオパード柄をモチーフとして起用した異色のラインナップとなった。
シルエットは女性の自身を引き立てるかのように、ピタっと体躯を強調させるボディコンシャスなフォルムが中心に。ブランドを象徴するジャージー素材はヨガウェアのようなタイトな仕上がりとなって、カジュアルなスタイルからテーラードスタイルまで、あらゆるルックの中に今季らしい空気をプラスする。中にはレギンスと靴が一体となってしまったようなピースも登場。タンクトップをさらりと纏ったラフな装いながら、強烈な個性をもたらしている。
そして見逃せないのが、過去のアーカイブから生まれた数々の最新ウェアだ。1994-95年 秋冬 コレクションテーマ「New Rock’n Roll」で発表されたトレンチコートは、テクニカル素材やPVCといった革新的な素材で再解釈。また同じく90年代に発表されたストレッチ素材のドレスや、フェミニンで官能的なロングドレスは、モノトーンのレースとチュールで大人の女性の魅力をグンと引き上げた。
さらにブランドを語る上で欠かせないコルセットもアップデート。1991-92年 秋冬 コレクションテーマ「Le Pin Up」でで登場したクリスタル刺繍のビスチェは、ボディスーツや透明なシフォンやレース、チュールのドレスで表現。そのほかアクセサリーではアイコンバッグ 「シシリー」がマイクロサイズで、シューズはバッグの素材に合わせたミュールやサンダル、ブーツが登場した。