ユリウス(JULIUS)が2014年1月17日(金)、2014年秋冬コレクションをフランス・パリで発表した。エレクトロな音が会場に響き渡り、幻惑的な照明が点滅すると同時にモデルがランウェイに登場。何か異次元に迷い込んでしまったような、空間全体が歪んでしまったような演出でショーは幕を開けた。
洋服は人間の身体の線に沿って作るのが一般的だが、今回のユリウスはそれを超越している。ボリューミーな中綿入りのマフラーや、筒のようなシルエットのダウンコートは身体と頭が一体になったようで「肩」の存在を消し去っている。これらのインスピレーション源は、アフリカのプリミティブな部族の服装。デザイナーの堀川は「アフリカの部族の土着的な力強さに感銘を受け、コレクションに取り入れたいと思った」と話す。
アイテムで目立つのは、様々なバリエーションのレザージャケット、首周りが大きく開き、袖が異様に長いロング丈のニット、首回りからヘムに向けて放射線状に広がるライダースジャケット、袴のようなサルエルパンツなど。ジャケットの着丈、袖丈は長めで、ヘムは刃物のような鋭角な線を描く。
色は潔くブラック&ホワイトのみ。素材や加工でバリエーションを出すことで、それぞれの深みを追求している。ヘアスタイルはアシンメトリーなマッシュルームカットだ。
ユリウスは日本のブランドで5本の指に入るほど欧米で売れているブランドだから、日本以上に海外での認知度が高い。会場には熱狂的なユリウスラバーが大挙して来場し、他のパリコレ会場では感じられない独特の一体感があった。
Text by Kaijiro Masuda(FASHION JOURNALIST)