ジュンヤ ワタナベ(JUNYA WATANABE)の2023年春夏コレクションがフランス・パリで発表された。
1980年代のロンドンサブカルチャーであり、音楽ジャンルの一つでもある「ニューロマンティック」。ポップでダンサブルなサウンドや、煌びやかなメイク、派手な衣装などを特徴としている。代表するミュージシャンはデュラン・デュランなど。
そんな「ニューロマンティック」をキーワードとした今シーズン。「ニューロマンティック」に没頭した若者たちが、現代にやってきて、ジュンヤ ワタナベの服を着たら?というユニークなコンセプトのもと、当時の華やかムードが漂うエネルギッシュなコレクションを展開していく。
ショー序盤では、スーツ生地で仕立てたウェアを提案。テーラードジャケットをベースとした服もあるが、そのどれもがケープのようなデザインになっており、モデルが闊歩するたびに布地がひらひらとなびく。ボトムスには、ネオンカラーやスパンコールのレギンスを合わせ、カラー・シルエットともにコントラストを効かせた。
続いて登場したのは、全体にプリーツが施されたシャツワンピースやスタンドカラーコート。首元から放射線状にプリーツが施されたシャツには、80年代のレトロなムードが漂う肩パッドを忍ばせることで、よりいっそう彫刻的な一着に。
そんな力強いコレクションをさらに盛り上げていくのは、パールやチェーンの装飾だ。あるときは、首元に何重にもなったパールネックレスを取り入れて。またあるときは、ストライプ柄のシャツやチェック柄のワンピースに複雑に組み込んだ。
さらに、これらの装飾は足元にも。厚底ブーツや、複数のベルトを取り付けたレザーシューズ、アッシュ(Ash)とのコラボレーションスニーカーにあしらい、デコラティブな一足に仕上げた。
中盤で披露された、日本のバイク用品メーカー「コミネ(Komine)」とのコラボレーションウェアにも注目したい。レーシングジャケットの配色を落とし込んだワンピースは、ふっくらと膨らんだスリーブや裾にあしらわれたチュールなどフェミニンなディテールが印象的。また、裾にボリュームを持たせたアウターやペプラムシルエットのワンピースなど、スポーティーなレーシングジャケットを解体・再構築したアイテムが揃う。
さらに今季は、リーバイス(Levi's)とタッグを組んだデニムパンツも発表された。