アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)は2023年春夏ウィメンズコレクションを発表。
今季のアレキサンダー・マックイーンは、人間らしさや人との繋がりを探求。人々に活力を与えるためにデザインされたルックが、多様な表現を用いて提案されている。
コレクシションのキーモチーフとなったのは「目」だ。人間性を映し出すシンボルとしての“目”に焦点を当て、パフスリーブのドレスや鋭く飛び出した肩パッドのスーツなどに、“大きな目”と長く伸びたアイラッシュをプリント。また、煌めくスパンコールによって瞳を表現したボディスーツも披露された。
初期フランドル派を代表するネーデルラントの画家、ヒエロニムス・ボスの絵画からインスピレーションを得て制作されたドレスも登場。ボスの奇妙な世界観や寓意が込められた絵画に出てくるような、真っ白の裸体の人間や幻想的な生き物、大きな草花を細かな刺繍などで表現している。
シルエットは、アシンメトリーなルックが散見された。たとえば、鮮やかなオレンジのレザースカートは、片側はピンと張り出したショート丈のフレアに、もう一方は真下に流れるようなデザインに。また、チュール素材を重ねたボリューミーなドレスは前後左右で異なる長さの丈が特徴で、右後ろになびくチュールはエレガンスさを際立たせる。
コレクションに軽快なリズムをもたらすのは、カットアウトが施された衣服。特に、ショルダー部分から裾先まで、大胆なカッティングを全体に施したロングドレスは、裾に近づくにつれて布がたるみ、優美な重なりを生み出している。素肌を見せるカッティングのはずが、ドレープによって下半身は覆われるという矛盾をも生じさせたのだ。