ボス(BOSS)の2014-15年秋冬ウィメンズコレクションが、ニューヨーク・ファッション・ウィークで発表された。これはクリエイティブ・ディレクターに就任したジェイソン・ウー(Jason Wu)が手掛ける、初めてのコレクションだ。
テーマとなったのは「architecture with nature - 建築と自然の融合」。ここには、バウハウス建築にみられるような直線的で構築的なミニマリズムと、自然のもつ柔らかさを合わせようとするジェイソン・ウーの意気込みが込められているのだけれど、今季のコレクションにはこのテーマが分かりやすく落とし込まれている。建築的な要素は、柄やカッティング、ディテールで。自然的な柔らかさは、素材感やシルエットで。この2つの組み合わせにより、新たな美しさを追求した。
例えば、キャンペーンモデルでもあるエディ・キャンベルがつとめたファーストルック。ダークグレーのセットアップは、シャープなカッティングで作られていて、デザインもミニマル。しかし素材にはカシミヤなどを使うことで、あたたかみのある生地感や美しいドレープがうまれ、ソフトな印象が加わった。首元のフェミニンなファーには、メンズライクなタキシードローファーを合わせるといった、ユニークなバランスも光る。
その後も、アシンメトリーのデザインや鋭いカッティングのミニマルなスタイルは続いてゆき、タータンチェックや幾何学模様、ボーダーがにじんだようなグラフィックなど、インパクトある柄も多く登場した。スカートはすべてクラシカルなロング丈。作りこまれたショルダーや絞られたウエストなど、メリハリのあるシルエットもポイントだ。
流れるようなシルエットのフェミニンなドレススタイルが続いたと思いきや、突然最後にタイトなスーツのルックが登場したりと、意外性もたっぷりだった今季のショー。抑えられた色合いとは対照的に、アイデアとエネルギーにあふれた、ブランドの新たな一歩を強く印象付けるコレクションとなった。