古来、紅葉の名所として知られる小倉山の中腹に寺域を占める日蓮宗の寺院。慶長元年(1596)、大本山本圀寺十六世究竟院日禛上人が、この地に隠棲して開創した。寺域が幽雅閑寂で、天台四土にいう常寂光土の観があるところから寺号となる。多宝塔(重要文化財)は、元和六年(1620)の建立で、並尊閣といい、前面に霊元天皇の勅額を掲げている。本堂は伏見城の一部を移転修造したもの。仁王門はもと本圀寺客殿の南門を移転、仁王像は、伝運慶作。妙見堂には洛陽十二支妙見、酉の妙見大菩薩と、日禛上人開眼の鬼子母神、十羅刹女と大黒天が合祀されている。歌仙祠には、藤原定家、家隆の木像を安置する。境内には定家の山荘、時雨亭跡がある。春の庭園は、山桜、枝垂れ桜や三ツ葉つつじなどの花木と、山野草が咲き、百花繚乱となる。もみじの新緑、初夏の苔庭の緑も美しい。秋には、大小200本のイロハモミジ、オオモミジが紅葉し、山内一円もみじの錦となる。
1件の開催中イベント