兼三郎は、妻・明子を失うまで、一人息子の慧(トシ)と疎遠になっていた。明子の葬式で久し振りに、トシと妻さつき、孫のエミに会う。喪主の兼三郎は、酒に酔い、だらしない態度。明子の遺言状は、子供の頃に愛した『ピーターラビット』の発祥地で、夫婦で行きたいと思っていたイギリスのウィンダミア湖に散骨して欲しいという内容が。兼三郎と慧一家は、明子の最後の願いを叶えるため、東京からイギリスに向かう。しかし、心を開きあえないふたりは言い争いとなり、兼三郎は何も言わずに一人で湖に向かってしまう。道に迷い途方に暮れる中、ある農場のジョンと娘メアリーの世話になり、次第に心が安らいでいった兼三郎は、迎えに来たトシにずっと言えなかった秘密を打ち明ける。
『コットンテール』は、日英合作映画。パトリック・ディキンソンが監督・脚本を手掛け、主演にリリー・フランキーを迎えて日英2か国にまたがる物語を映す。尚、映画タイトルの“コットンテール”とは、作家ビアトリクス・ポターの名作「ピーター・ラビットのおはなし」に登場する、ピーターの3匹の妹のうちの一匹の名前である。