ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)が、2014年3月5日(水)、パリ・ファッション・ウィークで2014年秋冬のウィメンズコレクションを発表した。
2014年春夏までの14年間、同ブランドを手がけたマーク・ジェイコブスに代わり、ウィメンズのアーティスティック・ディレクターに就任したニコラ・ジェスキエールによる初めてのショー。新しいルイ・ヴィトンをひと目見ようと詰め寄せた人々で会場は満席だ。
「この親しみのあるワードローブは普遍的で、無意識に訴えかけるとともに私たちの心の奥に刻まれた感情を呼び覚まします。これらの普遍的なアイテムに飽きることなどないでしょう。なぜならそれは、信頼のおける友人のような存在だから──」
ブランドから本コレクションについて発表された声明が、全てを物語っている。「回顧的かつ斬新」がキーワードだ。
過去に革新性を以て驚かれ、今はタイムレスな美しさになっているものは何かに焦点が置かれた。多く見られたのは、サイドスリット、Aライン、膝上丈のスカートをメインにした若々しさを感じさせるルック。深くVやUにカットされた胸元はセンシュアルで洗練されている。Xラインを強く印象付ける極端に太いベルトや、縦のラインを強調するジップフロントが体型をすっきりと見せる。直線的で華奢なシルエットは、どこか1960年代の雰囲気だ。
ベージュやブラウン、ブラックといったベーシックなカラーを軸に、斜めのラインを効果的に差し込むことでシャープな印象に仕上げている。美しくなめらかなフルグレイン加工のレザーは、その自然な風合いとハイブリッドな素材とがコントラストを描き、鮮やかで大胆なカラーは落ち着いた色合いと巧みに組み合わされた。
キルティングのように斜めのラインがクロスしたハンドバッグは、よく見るとハンドルがひとつだけと不思議なフォルムだが、安定している。他にも、まるでジュエリーボックスのようなクラッチや、チェーンの一部がレザーで覆わたユニークなディテールのバッグからは、伝統的ハンドクラフトと最新技術との融合が生み出す、 ひねりの効いた職人のテクニックを感じることができる。
足元はパテントのショートブーツが主流。光沢のあるジャカードやグリッターのような輝き、艶のあるレザーなどで生き生きとした表情に。気品と伝統を重要視しながら、新しい挑戦にも踏み出すといったブランドの姿勢を象徴したコレクションだ。
photo by Giovanni Gianonni
LOUIS VUITTON Women Collection Fall-Winter 2014/2015 Collection © Louis Vuitton Malletier – All rights reserved