ミキオサカベ(MIKIO SAKABE)の2014-15年秋冬コレクションが2014年3月21日(金)、東京・渋谷で開催された。
これまで服作りという手段を通し、決まりきったジェンダーのあり方に疑問を投げかけつづけてきたミキオサカベ。今シーズンもオーガンジーやフリル、リボンなどを多用し、メンズウェアとは思えないほどにフェミニンな仕上がりになっている。
しかし坂部曰く、今回はジェンダーの他にも様々な要素をミックスすることで、カテゴライズの境目を曖昧にしようとしたという。ショーではその言葉通り、単にフェミニンというだけでは終わらない、斬新なアイデアが飛び出した。
そのひとつが文字のドレス。漢字やアルファベットそのものが身体に絡み付いたようなドレスは、その強烈なインパクトとともに、文字が持つラインの美しさを存分に感じさせる。そして、本当に着ていると言えるのか?と頭に疑問符が浮かぶほどに視覚性を重視した、奇抜な身体の覆い方には、服という概念自体への疑いがこめられているようにも思える。
ミックスされた要素の中では、中国文化を背景に持つものが目立った。タイトなスカート、裾が胸ほどまでしかない超ショート丈のジャケットなどには中国服の生地が使われ、カットソーには漢字をオン。一方でモードに根ざしたパターンを用いることで、西洋的な文化も取り込み、独特のバランスを表現した。