セクシーでキュートなセーラーガールや、マジシャンをイメージしたコレクションなど女の子なら誰でも「可愛い!」を目を向けてしまうようなクリエーションを披露する、パリ発のブランド、オランピア ル タン(Olympia Le Tan)。
フランス・ベトナム人のハーフの父と、イギリス人の母を持つ、デザイナーのオランピア・ル・タン。彼女が自身の名を冠して2009年にスタートしたブランドはハンドメイドバッグの制作からはじまり、2012年3月には初めてプレタポルテコレクションがパリで発表された。これまで披露された、刺繍入りの本型クラッチ、可愛らしいイラストがプリントされたドレスなど、まるで絵本の中から飛び出たようなワードローブや小物は、見る人をハッピーな気持ちにさせてきた。
そんなブランドの2014年春夏コレクションの限定ショップが、2014年4月に東京・白金台にあるセレクトショップのビオトープや、ドーバー ストリート マーケット ギンザにオープン。来日したオランピア・ル・タンに、自身の最新コレクションから、ファッションデザイナーのジル・デュフール(Gilles Dufour)との出会い、そして家族やライフスタイルについて尋ねた。
まずは、限定ショップで展開されている2014年春夏コレクションについて教えてください。
“セーラーガール”を描いたこのコレクションは、私の幼少時代の服にインスパイアされています。その時の服の雰囲気と、私が好きなアメリカのモデル、ベティ・ペイジ(Bettie・Page)の魅力をミックスさせました。
それから色々な港街にも行ってきました。アメリカ・メリーランド州にある小さな都市、アナポリスという場所に訪れたのですが、そこにはアメリカ海軍のための大きな大学がありました。たくさんの男の人たちがセーラーユニフォームの姿で歩いていたり、博物館には興味深い絵や写真がたくさん所蔵されていたり……。
ですから今回のコレクションには、アナポリスで目にした様々なタイプのヴィンテージユニフォームと、私の小さい頃の服、そしてピンナップガールの要素が取り入れられています。
3月にパリで発表された2014-15年秋冬コレクションでは、マジシャンの世界観を描いていましたね。
今回は、リアルなマジックの世界を表現したいと思いました。マジシャンとそのアシスタントの服装、そしてアメリカ人アーティスト、ジョン・ウィリー(John Willie)の描く、ボンデージのイラストにインスパイアされました。フェティッシュでセクシーなマジシャンを、レザー素材、タイツ、スカート、そしてハットやブーツで表現しました。
特にトランプモチーフの服が印象的でした。イラストは誰が描いたのでしょうか?
毎シーズン、私はイラストレーターの父に、コレクションのためにイラストを描いてほしいとお願いしています。そしてそのモチーフをドレス、スカートの裾、バッグなどいろんなアイテムに使用します。
2014-15年秋冬コレクションのショーは、まるでナイトショーみたいに楽し気でした。
私自身、コレクション発表に向けて楽しんで準備したいし、他のショーとは少し違う雰囲気にしたいなと思っています。パリで行われるショーは少し張りつめたムードだから、見ている人を楽しませてあげたくて。